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2005 SUPER GT富士レースレポート

Category : 
SuperGT
2005-9-25 0:00
ターボエンジンからNAにスイッチして今年初めての富士ラウンド。HondaNSX陣営は、全車NAということでワンランクアップのリストレクターで臨みました。しかし、前回もてぎで表彰台にあがった、僕の駆る18号車(TAKATA童夢NSX)と100号車(レイブリックNSX)は、それぞれウエイト60?、80?を積み、予想通り厳しい状態でした。この日のトップは、ノーウエイトの32号車(EPSON NSX)で、遅れること約1秒弱後ろに我が18号車はつき、11位でした。しかし、今回フロントノーズに新しい空力パーツを装着したことで、ダウンフォースを稼ぎ、ドラッグも少なくすることが実現し、これまで気になっていたフロントの跳ねが軽減されることとなり、まずまずの手応えも掴め、フリー走行日を終えました。

予選日の朝。予報通り、台風17号の接近に伴い、朝から不安定な雲行き。心配された午前の予選1回目は、天気が崩れることもなかったものの、前日のフリー走行時のフィーリングから少し変化がおき、想定以下のタイムに終わり、18号車のスーパーラップ進出はならず、決勝は14位スタートという、悔いの残るポジションとなってしまいました。ウエイトを積んでいるとはいえ、もう少しタイムアップできる要素があったのではないかと思います。しかし、ここで得たデータに基づき、決勝に向け、僕達はセッティングを煮詰め、ドライバー交代の練習をし、できる限りのことをしました。
午後のスーパーラップを前に、天気がいよいよ崩れ始めました。20〜30分降った雨は、一時止んだものの、スーパーラップ300クラスが始まる時には再び雨が降り出し、各車マシンの方向性を決めづらい状況だったと思います。NSX勢としてスーパーラップに進出したのは、32号車、8号車の2台。雨が降ったり止んだりの中のスーパーラップ、今回は300クラス、500クラスともにダンロップタイヤが当たったようです。比較的あたたまりが早いダンロップタイヤを装着している32号車、0号車がそれぞれクラスポールを獲得し、決勝のグリッドが決まりました。

決勝日の朝のフリー走行時は、予想していた台風による雨も降っておらず、風は強かったものの、コースはドライの状態で走ることができました。このまま雨は降らないのか?それとも降るのか?、強い風により雲の流れが速く、晴れ間が見えたり見えなかったりの中、決勝をどのセッティングでスタートするかとても悩みました。
決勝スタートの時、フォーメーションラップを先導してるセーフティーカーが、なかなかコースを外れないのでもう1周行くのかな、と思っていたとき、急に外れ、いつもよりペースの遅い状態でポールポジションの32号車が列を先導し、コントロールラインを通過する時は32号車の思惑通り、一気に差を築き、周回を重ねていく展開となりました。
いつもどおり、18号車のスタートは僕が担当しました。スタートの加速次第では、後ろからスタートのフェラーリにオーバーテイクされる可能性が高いと心配していたとおり、いきなり前を行かれ、それについてきた100号車も一旦前にでました。ストレートで抜けないと前に出れないかもしれないので、早めにポジションを取り返さなければとプッシュし、すぐにこの2台は抜き返し、更にもう1台抜き、スタートポジションよりひとつ上でまずは落ち着きました。
富士がホームコースであるスープラは快走を続け、2位以下の上位ほとんど全てスープラで占めてしまうほど、圧倒的な速さを見せつけていました。富士特有の長いストレートでは、後ろに付かれてしまうとすぐにスリップに入られ、オーバーテイクされるとわかっていたので、何とかそれを防ごうと、ストレートではイン側に寄せてみたり、1コーナーのブレーキングで勝負したり、と対処していました。しかし、Honda Racingの2台は、ソフトタイヤをチョイスしてスタートしていたため、その後予想以上に天気が良くなり気温も上がったことにより、リアタイヤが早いうちからきつくなってきて、思うように順位をあげることができませんでした。早めのピットインで挽回を狙うべく、11位走行中の30周手前でピットイン、18号車はリアタイヤ2本交換でピットアウトし、これによりポジションを2つ上げることに成功しました。この時、タイヤはミディアムに変え、良い状態で小暮選手が走行し始めました。しかし、すぐにブレーキトラブルが生じてしまいました。後で聞いたところによると、1コーナーの突っ込みのブレーキングの際に効き具合がおかしかったとのことで、最高速度まで上がるあのストレートのエンドの1コーナー入り口で感覚が狂うのが非常に怖かったそうです。実は、フリー走行の日に僕が走行していた際にもブレーキペダルの調子がおかしくなり、危うくスピンしかけてコースアウトしたことがありました。あの不具合がもしかしたらまだ解消されていなかったのか、いずれにしても最後まで原因不明のまま、周回を重ねるしかありませんでした。ペースをあげられなかった小暮選手は、そのまま前後のマシンとの差が広がることもなく、縮まることもなく、終始一人旅のままレースを終えることとなりました。最終順位は11位。1ポイントでも獲得して10位で終わりたいところでしたが、あと一歩及ばず、非常に残念な結果となってしまいました。
このレースを制したのは、38号車(ZENTセルモスープラ)。終盤の38号車立川選手と31号車松田選手のバトルは、クリーンで熱く、敵ながらあっぱれという展開でした。そんなハードなバトルに勝った立川選手は、富士に絶対的な自信を持つだけあり、完璧な優勝でした。5月のラウンドに続き、この9月ラウンドも制するとは、38号車の強さと速さをあらためて知らしめられた気がします。ちょうど2年前、旧富士での最後のGTで、僕と立川選手が最後優勝を争いバトルを繰り広げ、僕達が劇的な勝利を挙げたことを思い出しました。あの時もNAで、マシンのセッティングも素晴らしく、全てが良い方向に仕上がっていました。今でも印象的で忘れることのできないあの瞬間を、また同じチームで味わいたいという気持ちが、この日の2台のバトルを見ていて、更に強くなりました。

さて、次戦は10月16日オートポリスでの開催です。今回の結果を受けて、ウエイトを20?だけ降ろすことになりますが、それでもまだ40kg積載しての戦いとなります。まだまだ厳しい状態ではありますが、今シーズンも残すところあと2戦です。残念ながら、今シーズンのチャンピオン獲得はもう難しくなったかと思いますが、残りのオートポリス、鈴鹿と、どちらかで必ず優勝するということを目標に、しっかり戦いたいと考えています。引き続き、18号車への応援、よろしくお願いいたします。

レーシングドライバー
道上 龍

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